食物アレルギーの治療例

2歳、ポメラニアンのわんちゃんです。

「毛がごそっと抜ける」「からだを舐めたり、掻いたりしていることが多い」「かさぶたができている」という主訴で皮膚科のセカンドオピニオンとして来院。
他の病院ではアトピーと診断。ステロイド薬が出ていたが、改善を認めないとのこと。
1年半と長期の経過でもありました。

初診時には体の毛が薄く、背中には感染を伴うかさぶたがありました。


皮膚検査では、カビや菌、寄生虫の検出はなくアレルギー性の皮膚炎が疑われました。
過去の病歴と合わせて、当日の診断名アレルギー性皮膚炎
ここから

  • ノミ・マダニなど寄生虫に対するアレルギー
  • 食物アレルギー
  • 犬アトピー性皮膚炎

と丁寧に除外していきます
他院ではアレルギー検査によって食物アレルギーではない」と診断され、アトピーと診断されたとのことでした。
当院ではアレルギー検査では犬アトピー性皮膚皮膚炎の診断はできない
という国際的な犬アトピー性皮膚の診断ガイドラインに沿った考えをしています。

寄生虫の関与の否定の後、①アレルギー食への変更を実施。
②保湿入浴剤による皮膚バリア機能の改善も同時に行なっています。
ステロイドを含む、アレルギー薬の投与は一切用いませんでした。

3ヶ月後には食事変更前の症状が劇的に改善しました。
「痒み症状がなく」、「発毛を認め」、「かさぶたもごくわずか」となりました。
最終的な診断としては食物アレルギーによるアレルギー性皮膚炎となります。

食事変更の際には、食事歴に基づいた食事変更・獣医師による正しい指導が必要となります。
そのため、飼い主様の自己判断や、アレルギーに理解のない獣医師の指導によりなんとなくでアレルギー食を食べてしまい改善に至らない子も多くいます。

食物アレルギーと犬アトピー性皮膚炎では診断が全く異なりますし、「およそ一生涯の薬が必要」かどうかも変わってしまいます。
それだけ、「犬アトピー性皮膚炎」と最終的な診断することに責任をもって対応しています。

こちらの治療提案に対して飼い主様とわんちゃんが一緒に頑張ってくれたことが結果につながってくれました!頑張った分良くなってくれるのはとっても嬉しいです!
「他の子の役に立つのなら」と写真や治療内容の提供を頂きました。ご協力ありがとうございます。