子宮蓄膿症

ダックスフント 11歳 避妊手術を受けていないの女の子

2週間ほど食欲がなく、下痢を認めたとのことで来院されました。

元気のある子でしたが40.0度の発熱があり、避妊手術歴の無い女の子であったことからこの時点で子宮蓄膿症を疑いました。

レントゲン写真では膨らんだ子宮(図中丸部分)により腸が圧排されている様子を認めました。超音波検査では子宮の液体貯留を認め、血液検査での炎症を示す数値の上昇により子宮蓄膿症と診断しました。

根本的な治療は、外科的に膿が溜まった子宮を取り出すことです。

菌でいっぱいの膿が破れた子宮からお腹の中に広がると腹膜炎を起こして緊急性が非常に高くなります。

摘出した卵巣子宮、内容物が膿であることを確認しています。

術後はすぐ熱が下がり、炎症も落ち着き無事に退院することが出来ました。
食欲不振とのことでしたが、術後はモリモリご飯を食べてくれていたのがとても嬉しかったです!

子宮蓄膿症は、まだまだ知らない飼い主様も多い病気です。犬猫に関わらず中〜高齢で認めることが多いです。

もう一つ重要なのが、避妊手術により予防が出来る病気ということです。子宮蓄膿症を患った子に会うたびに予防的手術の重要性を実感します…
在宅時間が増えたのを機に新しくわんちゃん、猫ちゃんを迎えた方へぜひ知って頂きたいです。

未避妊の女の子で食欲不振や熱っぽい様子は注意

根本治療に手術が必要で、子宮の破裂があると危険性が高くなる

避妊手術により予防ができる病気



飼い主様は、治ったことに喜んで頂けて病気の啓発になるならと本記事掲載も快諾頂きました!