耳ダニ症について

耳ダニ症は寄生虫であるミミヒゼンダニによって引き起こされる病気でありわんちゃん、猫ちゃんどちらでも共通に見られます。
動物同士でうつるので、ペットショップなどから迎えた新しくお家に来た子、多頭飼いのお家では特に注意が必要です。
人へは長期の感染自体は成立しませんが、一時的に皮膚症状を起こすことがある厄介な寄生虫です。

ミミヒゼンダニですが、真ん中のは2匹います


症状としては耳の痒み、炎症が強い場合には赤みや耳道の腫れもみられることがあります。
さらに特徴的なのが「コーヒーかす」に例えられる、多量でパサパサとした耳垢が出てくることです。

ただ、写真のように虫体を検出するには耳垢の検査が必要です。
当院ですと、耳用硬性鏡(オトスコープ)での耳道内観察も可能で有効な方法です。
下の動画のように耳道内を動く虫体(白くみえる動いているもの)を確認できる場合があります。


治療には駆虫薬を用います。
特別な薬ではなく、普段からのノミマダニ予防薬の中でも一部対応出来る製品も出ています。
耳の状態がひどい場合は併発する外耳炎の治療で通院が多くなったり、治療期間が長くなることもあります。

ひどくなる前に、思い当たる症状があれば病院で検査などの対応してもらうようにしましょう!
また寄生虫はかかる前に予防が出来る病気です。予防の必要性や時期を相談して実施するようにしましょう。