脱毛症の治療例

9歳、MIX、女の子のわんちゃんです。

「昨年の秋から体の一部に毛が生えなくなった」という主訴で皮膚科のセカンドオピニオンとしての来院でした。
他の病院ではサプリメント、ステロイドの塗り薬が出ていたようですが半年くらい見ても変わらなかったようです。

確かに、お腹から体の左側にかけて毛が薄くかなりフケも目立つ様子がありました。
一般的な皮膚検査では感染は認めませんが脱毛部では休止期毛(抜ける段階の毛)ばかりで異常でした。健康診断的に甲状腺や副腎のホルモンチェックも実施しました。
結果は何も異常なし。
診断には皮膚病理検査が有用ですが、体に負担の少ない投薬があれば先にそちらを始めたいとご希望を伝えていただいたので毛周期停止に対する内服+サプリメント+保湿剤の併用療法を行いました。

全体の毛の色が薄く脱毛部位が目立ちます


治療を始めて3ヶ月。
脱毛部位に色が濃い毛が発毛し始めてくれました。

体の左側、毛色が濃くなってきている部分が生えてきています

さらにその2ヶ月後です。スタッフみんなで驚くほどフッサフサになりました!
全体的に毛の色が濃くなり、被毛の状態自体がよくなっていることがよく分かります。
季節感を見つつ発毛が安定している事を確認したら減薬が可能か調整を行なっていき、必要な治療だけを残すように相談します。

毛色、毛ぶきもとても良好です

今回は暫定的な診断で原因の確定がない脱毛症の子でした。治療は一方通行ではないので、ご希望を伝えて頂きそれに沿った治療が出来ました。脱毛症の場合には、100%ではないもののすぐに諦めず治療を継続してもらうとある時から急に生えてくれる印象があります。無期限ではなくて、まずは3ヶ月は実施して写真を比べてみると実は生え始めているということが多々あります。

お母様にはホームページの掲載を快諾頂きました!
本格的に寒くなる前に毛が生えてよかった…!
当院に来るまでも合わせて1年ほどの治療期間があったとのことでしたので改善方法を見つけてあげられて本当によかったです!