化膿性肉芽腫群の猫の治療例

12歳MIX、女の子の猫ちゃんです。
当院にて確定診断を目的とした皮膚生検、診断後に内科的な管理を実施し寛解を達成しました。

「昨年から顔に赤み、腫れがある。投薬を実施するも治らないので詳しく検査をしてほしい」という主訴で、かかりつけ病院様からのご紹介にて来院でした。


一目でわかるほど鼻・眼周囲、耳が赤く腫れており、鼻が顕著ですが顔が全体的に丸みを帯びていました。
一般的な皮膚検査では皮膚の浅い部位での細菌・真菌(カビ)・寄生虫感染は否定的。
皮膚の構造全体(特に深い部分)で何が起きていて赤く腫れるのか確認が必要と考えて生検トレパンを用いた皮膚生検を提案・実施しました。

<皮膚生検>
・麻酔下で、生検トレパンという道具を用いて皮膚を切除
・皮膚を層状の構造を保ったまま採取し検査会社へ提出
・薄切・染色・観察の過程を経て皮膚の全体で何が起きているのかを確認
・そうして得られた病理所見について、病理の専門家から結果を受け取り総合診断
以下は、皮膚生検のイメージです。


病理組織学的検査の結果と合わせ総合的に、化膿性肉芽腫症候群と診断しました。
感染、抗原や基礎疾患の関与を考慮しますが、この子ではそれらを疑うものはなく、免疫介在性として免疫抑制治療を実施しました。
投薬はステロイドの内服薬を用いて、初めの2週から改善傾向を認めました。
皮膚の正常化および血液検査など副作用の確認を行いながら徐々にステロイドの量を減らしました。
以下が、治療からひと月半でのビフォーアフターです。

顔の丸みが消え、すっきりとした美人な猫ちゃんであることがよくわかる様になりました。
どんなに顔が腫れてしまっていたか…前後を見るとすごいですね…

この病気自体の原因が明らかでない場合には根治というより寛解、薬剤を調節しながら穏やかに過ごせるように管理をします。
内服ステロイドがある程度減らすことができたので、かかりつけの動物病院での管理に切り替えさせていただきました。

実はお家から30分ほどはかかる遠方の方で、飼い主様も猫ちゃんも本当に頑張って通院いただきました。
お薬で管理ができなかったという子でしたので、綺麗なお顔に戻してあげられて良かったです!!

このように、当院は他動物病院様からなど耳科・皮膚科のセカンドオピニオンも受け付けております。
なかなか診断がつかない、管理の難しい皮膚や耳の病気にお困りの方はどうぞご相談下さいね。