猫の肥満細胞腫(皮膚科専門診療)

「猫ちゃんの痒み」とのことで来院された2例です。

1例は「昨年から足を舐める仕草がある。かかりつけでステロイドの飲み薬をもらい落ち着いていたが、繰り返し舐めてしまい、脱毛がある。」と来院されました。

2例どちらもですが、舐めている場所に写真のようなできものがありました。
舐めているために赤くただれていて、できものとしても大きさが小さいです。
そのため、飼い主様は赤いだけでできものがあるとは気づいていませんでした

足のできもの


直ちにできものから細胞診検査を実施。
以下の写真ように顆粒をもった細胞の集塊が検出されました。

できものから検出された細胞塊

特徴的な細胞の形態から検出されたものは「肥満細胞」と考え、塊として同様の細胞がとれていることから「肥満細胞腫」という皮膚腫瘍と考えしました。

確定診断・腫瘍のグレード評価、および治療を目的として腫瘤切除を実施。
病理検査では、やはり「肥満細胞腫」
低グレードであり、良性の挙動をとるタイプとわかりました。

肥満細胞腫は皮膚や内臓にできることがあり、基本的には悪性腫瘍とされています。
ただし猫ちゃんの皮膚型、つまり皮膚のできものとしてできるタイプでは良性の挙動をとることがあるとされています。
良性の挙動というのは転移して命に関わることは少ないというだけで、無害ではありません
今回のように、肥満細胞腫は局所の痒みを起こす原因になりやすい腫瘍です。

1例の子は以前の病院で、猫の痒み=アトピーとして対応されていたようでした。
猫ちゃんはアトピー性皮膚炎や食物アレルギー性皮膚炎など、痒みの出る病気が少なくない動物です。しかし、常に丁寧に診察をしないと腫瘍を見逃すことにもなります。

2件とも術前検査、手術と無事に終わり現在は経過観察となっています。
根本的な原因をうまく発見、対応できて本当によかったです。

このように、当院は飼い主様から、および他の動物病院様からなど耳科・皮膚科のセカンドオピニオンも受け付けております。
なかなか診断がつかない、管理の難しい皮膚や耳の病気にお困りの方はどうぞご相談下さいね。